Heart to Heart -リナSide-

 作者 dbt
 


町中をガウリイと歩いていると妙に視線を感じる事がある。
視線の先は、あたしの自称保護者ガウリイ=ガブリエフ。
確かに・・・金髪碧眼ハンサムで・・身長高いし・・スタイルいいけど・・。
中身はクラゲなのよっ!
みんな外見にダマされてるのに。
あれ?あたしなんでこんなに腹が立つんだろう?


あれっなんか視線を感じた気がする。視線の先はと。
「ガウリイ、何か用?人の事じ〜っと見たりして。」
「ああ、そろそろ飯時じゃないか?」
人の気持ちもお構いなしで軽く答えを返してくる。
当たり前か・・・。
「そうね、御飯にしましょう。」
なにやら、ガウリイがあたしを不思議そうな目で見ている。
意識しちゃいけない。
「な、何!?」
「いや、メシだと言うのにずいぶんおとなしいな。」
こいつはあたしを何者だと思ってるのよ。
「あたしだって考え事くらいしてる時もあるの。」
「じゃ、何考えてたんだ?」
うっ突っ込むな。
「とにかく、ご・は・んよっ!ぐずぐずしてると置いて行くわよ!」
ガウリイはため息をつくとあたしの髪をくしゃくしゃとする。
「・・・・行こうか。」
ごまかせたのかな?


食事に入った店は結構盛況だった。
不味い店に人が集まるハズはないしね。
「おっちゃん!あたしAランチ5皿とBランチ5皿!」
「あ、オレAからCまで各5皿ずつ!」
あ、あたしより多く注文している、後で絶対取ってやる。
「ガウリイ、あんたね〜。だいぶ路銀が少ないのわかってるの?」
「そういえば、しばらく仕事してないな。」
にっこりと微笑むガウリイ。
あたしは口元を引きつらせ、げんこつを握りしめつつ、言う。
「そう・・・仕事無いのよね・・・。って微笑みながら言うことかぁ!!」
あたしはガウリイを頭から殴りつける。
人はそれを八つ当たりと言うかもしんない。
ガウリイはテーブルにキスをしている。
テーブル壊したら弁償だからちょっと手加減したのよ。
「おまえなぁ・・・・。」
ふと気付くとガウリイの後ろに人が立っていた。
ちょっと派手な女性。露出の多い服だ。
特に胸のあたりが気に入らない。
「悪いけど盗み聞きさせてもらったわ。」
態度も気に入らない。あ、このにおいは・・・。
くんくん。
「・・・ちょっと聞いてるの?」
「へいっ!ランチおまちいっ!!!」
やたっ!ご・は・ん♪
おいしそうなランチがテーブルに運ばれてきた。
「よし、食うぞ〜〜。」
「あたしが先よ!!!」
「あなた達・・・。」
「あ、取り込み中だから後でね。ごはん〜〜♪」
あたしのお肉さん、卵、お野菜さん♪
「仕事を頼もうと・・・。」
さっきの人が何か言ったみたいだけど、ガウリイと交わされるナイフと
フォークの重なり合う音にかき消されていた。


「は〜〜っ食った、食った。」
「あ〜〜〜何ももう食べらんない。苦し〜。」
あたし達は食後の余韻に浸っていた。
「あの・・・・。」
「あれ、あんたまだいたの?」
先程のガウリイの後ろに立っていた女性が、今度はあたしの横に立っていた。
ちょっと顔が引きつってるかもしんない。
「待て、と言われたので待たせて頂きましたが。」
おお、怒ってら・・。
「じゃあ、あたし達に何の用?仕事の依頼?」
「そうです。あたし達を護衛して頂きたいのです。」
いきなりそう来るか?あたしの見たところお姫様やお嬢様の感じはしないけど
なぁ。
「隣町までこの彼に護衛して頂きたいのです。」
とたんにガウリイが口を挟む。
「オレ単独での仕事ならお断りだ、オレはこいつの保護者だからな。」
そう言いつつ、あたしの髪をくしゃりとする。
また子供扱いする。
「あのねぇガウリイ。」
「そう言う訳だ。」
あたしが話そうとすると、間髪入れずにガウリイが遮る。
「わかりました・・。」
すごすごと女性は食堂から出ていった。
ちょっとかわいそうだったかも知れない。
でも、今日のガウリイの態度いつもとちょっと違う気がする。
「ガウリイ・・・。」
「ん、何だ?」
優しくあたしに微笑みかける、いつもと変わらない笑顔。
あたしをすごく安心させる。
「ん、何でもない。」
変だ、あたし。
「あれ?」
ガウリイがつぶやく。
「どうかしたの?」
ガウリイの視線の向かうところを見ると食堂の入口に先程の女性が立ってい
た。そのままつかつかとあたし達の方に向かってくる。
「また、あんたか」
ガウリイがつぶやく。
「先程の依頼の件御両名にお願いしたい、でしたら問題ございませんよね。」
得意げにあたしの方に向かって言う。
「まだ、依頼料の件話してないわ。」
業務的にあたしが答える。
「隣町まで普通の行程で2日間で金貨20枚でどうかしら。」
得意げに胸を張って言う所が面白くない。あたしに喧嘩売りたいのかしら。
でも確かに2日間で金貨20枚はおいしい。
どうしようかな。
このあたりは治安もいいし街道で魔族など出ることもまずないだろう。
「ん〜っもうひとこえっってとこかな。もちろん前金でね。」
女性の顔がひくっと動いた。
「そ、それでは金貨21枚ではどうかしら。」
ガウリイはぼ〜っとあたしのやりとりを見ている。いつもの事だけど。
確かに路銀も少ないし・・・。
「わかりました、お引き受けしましょう。あたしはリナ=インバース、彼は
ガウリイ=ガブリエフ」
「ガウリイさんですか・・・。では早速宜しいでしょうか?」
あたしの立場って・・・。
「まだお名前聞いていなかったと思うんですが、何とお呼びすればいいので
しょうか?」
女性は急ぎ足で出入り口へ進む。
「そうでしたわね、私の名前はアレキサンドラ=ティーウッド、そして・・・
。」
ドアを開けた。
「宜しくお願いしま〜す。」
外には20人程の男女がたむろっていた。
やられた・・・・。


「ガウリイさまぁ」
「ガウリイさま(はあと)」
向こうでは黄色い声がとんでいる。
ちなみにあたしの周りはオタッキーぽいの2人、人畜無害そうなの2人、よく
わかんないのが3名ほどまとわりついている。
これもお仕事、お仕事、我慢、我慢。
結局外には7名の男と12名の女がいた。アレキサンドラを入れて20名。
しかもどう見てもどこにでもいる町の人にしか見えなかった。しかもみな旅支
度が出来ている。
ガウリイはすぐに女の子達に囲まれて鼻の下を伸ばしている。
始終こんな調子なので依頼を受けてからガウリイと言葉を交わすことも出来な
かった。
いらいらする。
気を取り直し先へ進む。
「リナさぁぁん、待って下さいよう」
人畜無害そうなのが一人こけた。
さすがにこれだけ大所帯だと会う旅人達は私たちを避けて通り過ぎる。
そりゃぁ無意味にこんな集団と出会ったら気持ち悪いでしょうね。
もしかして窃盗団とかと誤解されているかも知れない。普通こんな団体で街道
を歩くのは、貴族の護衛付きか盗賊団と決まっている。
あたし達の集団は貴族に見えるとはとうてい思えなかった。

しばらく進むとちょっとした川があった。あまり深くは無いらしく、向かいか
らは腰まで水に浸かって進んでくる旅人もいた。
「いや〜服濡れちゃう。」
「ガウリイさま、どうしましょう。」
あたしは仕方なく側にいた男を掴み、呪文を唱える。
「浮遊!」
「リナさん。」
「だぁぁぁっ!変なところ掴むんじゃない!!!」
男はあたしに力一杯抱きつく。
うう・・・これが仕事じゃなかったら・・・。あれっ?
急に男の抱きつく力が緩くなる。
なんでだろ。
そしてその作業を何度か繰り返す。
最後は・・・ガウリイ。
「これで最後だな。」
ガウリイはあたしを優しく抱きしめる。
「うん。じゃ行くわよ。」
「浮遊!」
体がふわりと浮き上がる。
向こう岸に着くと、あたし達はあっという間に囲まれ引き離された。
金貨21枚、金貨21枚・・・ぶつぶつぶつ・・・。


道中は特に何事もなく徐々に日が暮れかけていた。
「お〜い。」
向こうからガウリイの声が聞こえる。
「そうね、そろそろこのあたりで野宿の準備をしましょう。」
あたしは返事をする。そろそろお腹の方もすいてきたし。
「じゃあ、食事の準備にかかりましょう。」
みんな背中に担いでいた荷物を下ろすとてきぱきと食事を作り出した。
こういう時は女の子が多いと助かる。よく見ると若干女の子達と言うにはとう
がたった人が2〜3人いるけど。
「ガウリイ。」
「なんだぁ?」
「ちょっとこのあたりの様子を伺ってくる。」
なんだかんだ言ってもお仕事で、何かあっては問題だから周りの地形等を把握
するために見回る事にする。
「わかった。」
声を聞くと同時にあたしは席を立つ。
「お供します。」
周りの男達7人も一緒に立ち上がる。
「すみません。ここでおとなしく待っていてはもらえませんか?」
あたしはやんわりと答える。
「いえ、是非ともご一緒したいのです。」
特に断る理由もない。
「判りました。」
あたしと男達は森の中へ進んで行った。

森の中はまだ日が落ちていないのに鬱蒼としているせいか暗く感じた。
男達は何も話さずあたしの後をついてくる。
なんかやりにくいなぁ。
ふっと感じる違和感。
なにっ!
男達があたしめがけて飛びかかって来た!?
一人があたしの肩を掴む!何をするつもりっ!
あたしはバランスを崩して地面に転がる。
「おい、このまま押さえろ!」
なに!?このあたしにすけべな事しようっての?
「ええ?いいのかなぁ・・」
「ボサボサしてないで手伝え!!」
「そんなのやめようよ。」
このリナ=インバースに・・・。
あたしはすかさず呪文を唱える。
「眠り!」
男達はばたばたと倒れていった。
「このあたしをどうにかしようなんて100万年早いわよっ!」
ふと感じる雰囲気。
何なんだろ?

あたしは見回りを終え、泊まる場所へ戻ってきた。
後ろにはちょっと(?)ぼろぼろな男7人を引き連れて。
「おかえりなさい、何かあったんですか?」
男達を見て、女の子の一人が騒ぎ出す。
「うん、ちょとね・・・だからついて来ない方がよかったのにねぇ。」
後ろをちらりと見つつ、いけしゃあしゃあと答える。
もちろん後ろの男達は黙ったままだ。
「きゃあ、ガウリイさまこわあぃ。(はあと)」
「どうしましょう。」
またもや黄色い声が飛び交う。
ちょっとむかつく。あたしが怖い目に遭っていたと言うのにガウリイは女の子
達に囲まれて。
「おい、リナ。」
ガウリイがのほほんと声をかける。
「何よ?」
「メシ出来たらしいから食べようぜ。」
こういう所はやっぱりガウリイにはかなわない。

彼女たちが作ってくれた料理は郷土料理らしかった。
「ガウリイさまおいしいですか?」
「うん、うまいよ。」
「おかわりもたくさんありますからね。」
いちいちガウリイに世話を焼く。
あたしと男7人はセルフサービスだった。
もう、今更別にいいけどね・・・。
明日一日の我慢・・・。

食事を終えるとのんびりと食べていたせいか、あたしが見回りに時間がかかっ
たせいか(これはあたしが悪い訳じゃない)かなり夜も遅くなっていた。
「ガウリイ。」
「おう、なんだ?」
「あたし先に休ませてもらうわ、時間が来たら起こして。」
まず何も無いとは思うが交代で夜営をする事にする。さすがに今日は疲れたの
で先に休ませもらおう。
「了解。」
一瞬ガウリイの瞳に影が落ちた気がする。
気のせいかな?
あたしは横になり、マントにくるまる。
そのまま目をつぶると意識が遠くなっていった・・・。

なんか周りが騒がしい気がする。


「リナ・・・。」
あたしを呼ぶ声がする。
周りが騒がしい。
ふと瞼を薄く開ける。なんだろ、金に透ける・・・髪・・・。
ガウリイがあたしの目の前にいる。
「おはよう、交代の時間だ。」
「ガウリイさまぁ・・・。」
甘い声も聞こえる。
「おはよう・・・って周りの・・起きてたの?」
ガウリイの後ろには人の影が見える。
「ああ、目が覚めたみたいだな。じゃあ交代だ。」
あたしが体を起こしたと同時にガウリイはごろんと転がった。
あたしの側で。
「おやすみ・・・お疲れさま・・。」
小さな声でつぶやく。
その声が聞こえたのか判らないけどすぐにガウリイは寝息を立てていた。
「どきなさいよ。」
ふと声が聞こえる。
「ガウリイさまの側で寝るのはこの私ですわ!」
「何言ってるのよこのブス!」
「私にきまっているでしょ!」
あ、あんたら・・・・。ちょっとガウリイに同情してしまう。
それにしても明日も移動だと言うのに彼女たちは・・・。
あたしは何も口を挟めない。
「あんた今日の昼手を掴んだでしょ!」
「昨日あげたクリーム返しなさいよ!」
そう、口は挟めないが、呪文を唱える。
「眠り」
彼女たちはぱたぱたと倒れていった。
さすがのあたしもあんなうるさいのに付き合ってられないわ。
やっと静かになった夜、あたしは月を眺めていた。
ガウリイはすやすやと寝入っていた。
しかしこの仕事護衛じゃないなぁ・・・。
でも前金もらっちゃったし、もっとふっかけてやればよかったかも。
ちょっと虚しさを感じつつ、日が昇るのを待った。


「朝ですよ〜〜起きて下さい〜〜。」
日が昇り、あたしは皆を起こしにかかった。
「おはよう、リナ」
むくっと体を起こし、ガウリイはあたしにほほえみかける。
周りの皆さんはさすがにちょっとぐずった感じだ。
あたしは肺いっぱい空気を吸い込む。
「起きろ〜〜〜〜!!!。」
あたしのさわやかな一声でみんな目覚めたようだ。
「さて、あさごはんっ!」
みんな眠そうな目をこすりつつ食事の準備をする。
食事の準備をしている間にガウリイはまた女の子達に囲まれている。
あたしは朝御飯のスープを口に流し込む。
別に、後半日ほどの辛抱よ・・・。
軽く食事を終えると今度は出発の準備をする。このまま上手く行けば昼御飯は
次の町でありつけそうだ。
軽く身支度を終え、周りを見回す。
「きーっブラシが見つかんない〜!」
「いやだ、袋に入らない。」
旅慣れたあたし達と一緒にしちゃダメか・・・。
もちろんガウリイは既に身支度を終え、木陰に座り空を見上げている。
仕方なくあたしも木陰にて腰を下ろす。
空を見上げる。
今日もいい天気。
結局、小一時間程してあたし達はその場を離れる事が出来た。


その後の道のりは何事もなく順調に進む。
まあ、相変わらずガウリイは女の子をはべらせているけど。
あたしの方はまとわりついていた男達は女の子達の向こうを歩いている。
当然と言えば当然。昨日可憐な乙女に何をしようとしたか。
反省しているならば当たり前の事である。(正義の制裁が効いてるともいう)
まあ、少しでも側によってこようもんなら昨日の事を思い出させるまで!
そんな理由であたしもガウリイにはべっている女の子達と同化したような形に
なっている。
側によってみて初めて気がついたのだがガウリイの周りでは静かなる女の戦い
が繰り広げられていた。
とばっちりが及ぶとイヤだから少し離れて歩こうっと。
ちょうどその光景を見ていたらしくガウリイはあたしをジト目で見る。
そう目で語られても・・・・。
あたしに出来ることは歩くスピードを速める事ぐらいだった。
こんな仕事から早く解放されたい。


早足で進んだせいか、道中全く何も無かったからか昼時を過ぎた頃町が見えて
きた。
ああ、やっと解放されるのねっ。
あたしは更に早足で歩こうとする。
「ちょっと待って下さい!」
後ろから女の子の声が聞こえた。
「もう町に着いちゃいますよ。」
「結論出していただかないと。」
何かもめている感じだ。
「あんた達も何か言いなさいよ!」
きつめの女の子が男達に向かって叫ぶ。
どういう話になってるんだろう?
「あ、俺達は遠慮しとくわ・・・。」
男達はそう答えると町に向かって駆け出して行った。
もう町も見えてることだしもう襲われる心配は無いと思う。
さっぱり訳が判らなかった。
どうなってるの、いったい!?
しばらく沈黙が訪れた後、一人の女性が話し出す。
「ガウリイさん。」
「へっオレ!?」
「この中から好きな子を早く選んで下さい。」
は?
「そして私たちの町で一緒に暮らしましょう。」
どういう意味?
あたしはガウリイを見つめる。ガウリイはさっぱり判らないと言う顔をしてい
る。
「なんだかよくわからん。」
ガウリイはつぶやく。あたしの方に歩み寄る。
「あえて言うなら・・・オレはこいつの保護者だからな。」
そう言ってあたしの髪をくしゃっとする。
ガウリイ・・・。
「そんなっ!お互い一夜を共にしたんですから私の事判っていただけたでしょ
う!?」
「なによっあんただけ!あたしの手料理おいしいって言ってくれたじゃない!」
「私と一緒に町に戻っていただけますよね?」
各自が一斉に騒ぎ出した。
一夜を共にってあたしが呪文かけてみんな寝ちゃったじゃない!
料理もみんなで作ったはず。
「どうなってるんだ?リナ?」
ガウリイは不思議そうにあたしの顔をのぞき込む。
「え・・・と・・アレキサンドラさんでしたよね・・。」
「私が何か?」
「今回の依頼って確か護衛でしたよね・・・。」
「そうでしたっけ?いま取り込み中ですので。」
あたしの話を区切り喧噪の中に戻ろうとする。
落ち着け、リナ。
「で・・・みなさん今何を争っていらっしゃるんでしょうか?」
鬱陶しそうな顔をしつつ、答えが返ってくる。
「誰がガウリイさまの伴侶になるかですわ!」
あたしの中の・・・糸が・・・切れた。
「炸弾陣!」



あたしとガウリイは宿で夕食を終えた所だ。
「あ〜今回は疲れたわ。今日は早く寝よっと。」
ガウリイも疲れているみたい。当たり前と言えば当たり前だけど。
二人とも部屋まで歩き出す。部屋は隣同士だ。
ドアのノブに手をかけようとしたとき急に体が引っ張られる。
何がおこったの?
あたしは・・ガウリイに抱きしめられていた。
どうしよう。
あたしは広い胸に抱かれながら困惑していた。
更に強く抱きしめられる。
一瞬。
「ごめんな・・。」
聞こえるか聞こえないぐらいの小さな声で囁かれる。
そして体が離れる。
「おやすみ、リナ。」
「おやすみ・・」
あたしはガウリイの顔を見れなかった。
きっと真っ赤な顔をしていたと思うから。

部屋に入りベットに腰掛ける。
抱きしめられて・・・暖かかった。
心から。
この気持ち・・・。
もう少し気付かないでおこう。

そう、あと少し。
心の準備が出来るまで。


end

ガウリイsideへ



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