小さな村。
うららかな日差しが照りつく暖かな日。
すぐ隣で出店に眼を取られているリナ。
「なぁ〜リナ。オレのことどう思ってる?」
そんな中、オレは不意に思いついた言葉を問い掛けた。
リナがきょとんとした顔を返してくる。
「え?」
「だから、オレのことどう思ってるんだ?」
そう、オレの事本当にどうおもってる?
にこにこしながら再度問う。
「え〜っと、その、自称保護者でしょ?」
上目づかいで見上げてくる瞳。
ま、身長差を考えれば当たり前なんだが、そのそぶりがなんともかわいらしい。
「いや、オレを保護者としてではなく『男』として見て、
どう思うかって聞いてるんだが?」
内心ドキドキしながら、でも自惚れを含んだ声が出る。
だって、嫌いな奴と旅をするほどリナはお人良しじゃないから。
あ、でもマジ保護者としか見てもらってなかったら嫌だな。
「ほへ?」
わしわしと頭を撫でる。
恒例の動作。
最近この行動を受け入れてくれるリナ。
ま、文句をたらたら言うけど昔みたいに叩かれたりしない。
だから自惚れも出るんだなこれが。
さて、リナのあのかわいらしい口からどんな言葉が出てくるかな?
不安と期待の眼差しで瞳を除きこむ。
「なあ、教えてくれよ。オレの事どう思っているか?」
「え〜っと、脳みそくらげの体力馬鹿!」
おい!
なんだよそれ!!
『なんでこんな事言わないといけないのよ!恥ずかしい』
――――って顔にありありと書いて返す言葉だけど……
……ひどいぞ。
でも、少し照れたようにほんのりと頬を染めている。
まんざらじゃないって事はこれで確信できたな。
でも、もう一押ししたら………。
「へ〜、脳みそくらげの体力馬鹿っか。じゃオレ人間じゃないんだな?」
「ま、そうなんじゃない?」
困ったように返す言葉に、明るい声。
「そっか、オレはれっきとした人間なんだけど…………
どうしたら、リナ。おまえさんに『人間』いや、『男』としてみてもらえるんだ………っておい、人の話を最後まで聞いてくれ〜〜〜〜!!」
覚悟の言葉だったのに、みればリナはとっくの昔に出店へ走りさっていた。
はぁ〜どうしてこうなっちまうんだよ。
ま、まだ先は長いってことか?
オレは先をゆくリナを追いながら長期戦を考えた。
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